第5話 密かな期待と不安 (1/2)

下北沢。土曜の夕方。しゃれた雑貨屋や古着屋の路地を通り抜けると緑が多い住宅地に出た。詠美は親戚にもらった築35年の中古の戸建てに住んでいるという。

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(c) Shutterstock.com

スマホに案内されるまま詠美の家にたどり着く。「MORII」という表札。垣根に囲まれ、小さな花壇が玄関脇にある。そこに花はなく、スコップが無造作に置かれている。

チャイムを押すとパタパタとスリッパの足音がして詠美が顔を出す。Tシャツの上に金のダリヤ模様のガウンを羽織っている。メイクはしていない。髪をバレッタで無造作にまとめ、リラックスモードだ。

玄関に入ると、タバコの匂いが鼻をつく。

リビングは思ったより広い。二人がけの食卓とやけに大きなベージュのソファ。そこには遼子が今まで話したことがないような悪そうな顔立ちの男が座っていた。鋭い目つき。

こけた頬。無精髭。ピアス。厚手の黒いガウンを着ている。たばこに火をつけながら男が言う。

「やあ、遼子ちゃんっていうんだね。はじめまして。俺、竜児。詠美の彼氏」

詠美が瓶ビールを冷蔵庫から持ってくる。

たしかに酒でも飲まないとこの緊張感は抜けない。遼子はグラスにそそがれたビールを飲み干す。これから何が起こるのか遼子にはわかっていた。

あのレストランで起こった変な出来事。あの日から4日間、遼子は家で毎晩一人で慰めていたのだ。岳斗と別れてから一年間、そんな気持ちになどなったことがなかったのに。

一人でする時は岳斗のことを思い浮かべていたが、この4日間は、詠美が指を舐めるシーンがフラッシュした。

 

  
 
 
 

この連載: 恋愛とセックスのかけ算/29歳 遼子の場合

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